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2009年予測:「経営のプロ」人材市場の動向(その1)
新年にあたり、経営チーム組成コンサルティングを生業とする者として、2009年の「経営のプロ人材市場動向」の予測をしてみたいと思う。

いつの時代も予測とは、難しいものである。今年は不確定要素がますます多くなっていることから、なおさらかと思う。

しかしながら、こんな時代だからこそ、今現在見えている足元の状況から類推できる予測を、希望的観測も含め、あえて記しておきたいと思う。

今年、企業の変革を考えておられる経営者、ご自身のキャリア変革を考えておられる「経営のプロ」または、その予備軍の方に、検討材料のひとつとして参考にしていただければ幸いである。

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まず、このエントリーでは、足元の現状について確認し、次回以降のエントリーで、今年の市場予測について書いてみたいと思う。

【現状の確認】

まず、全体の傾向値としては、昨年末同様、供給>需要と、企業側の買い手市場が続く、と予想される。

 

経営のプロ層の供給過多

「経営のプロ」層においては、景気の影響に加え、経営のプロにどうしたら200日安心プランを用意できるかのエントリーにも書いた通り、「「経営者浪人」が増えている。

再生・第二創業・事業承継といった課題を持つ企業において、創業経営者や株主との意見対立により経営チームが割れ、昨年6月の株主総会時や12月末に、経営者の一部が退職するケースが増えたという現象である。

但し、経営人材については、事業再生の局面などで、今までの経営陣の枠組みではどうにもならず、真の経営のプロ人材を投入する必然性が出現している企業もある。

従って、供給>需要、であることは事実ではあるものの、どちらかというと「機会のミスマッチ(供給と需要のタイミングや、人材像が合致しない)」が起きている、という見方のほうが正しいかもしれない

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一方、ベンチャー企業では、資金繰りが相当厳しくなっているケースが増えている。

資金需要があっても、ベンチャー・キャピタルの投資クライテリアは軒並み厳しくなっている。

成長性が見込まれる企業であっても、純資産ベース以上のバリュエーションはつけない、といったVCも多く出現しているようで、相当買いたたかれる覚悟でなければ、VCからの資金調達は難しくなっている。

銀行も、新規融資は言うに及ばず、融資契約の更新を拒否されるケースなどの「貸し渋り」状態にあっている企業も増加している。

こうした資金繰り悪化の状況の中、ベンチャー企業の中には「自分が退職すれば、固定費がぐっと下がるので」とか、「成長戦略をリードする期待役割で入社したが、少なくとも3年くらいは成長戦略を実行する状況にないため」といった理由から、経営陣の一部が12月末に退職されてきているケースも増えている。

多くのベンチャー企業では、現状の資金繰り難と近い将来の資金繰りの不透明感の中から、

・とにかく現金を大事にする

・とにかく固定費を抑え、売上減となっても、増益だけは確保する

といった動きが多く、「採用凍結」としている企業も少なくない。

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以上のように、市場には、「経営のプロ」人材の供給が、明らかに増加している

もちろん、ビジネス人脈なども豊富に保有されている方々なので、「個人事業主」として、数社の社外アドバイザーや顧問などされながら、次の機会を模索中という方も増えている。

「こんな優秀な人が、今は充電中なのか…」といった人材が、経営者浪人しているケースも散見される。

本来であれば「三顧の礼」で迎えるためにスカウトして来なければいけないような人材が、市場に流出してきている、という意味からすると、次回以降のエントリーで言及するが、余力のある企業にとっては、良い経営陣を追加する、千載一遇のチャンスでもある。

 

 

経営のプロ予備軍層の供給過多

「経営のプロ」予備軍層も、同様に、供給過多となっている。

非正規雇用者のみならず、正規雇用者においても、製造業を中心に人員削減が行われ始めているのは、ご既承の通り。

これに加え、「経営のプロ予備軍」とも言える、ハイポテンシャル人材を採用していた外資系企業、例えばGEなどでも人員削減が行われている。知識や専門スキルはあるが、目標達成のためのexecution能力が不足している人材などが、削減の対象となっているケースも多いようである。

また、投資銀行などの外資系金融機関は言うに及ばずである。

加えて、マッキンゼー、BCGなどのトップコンサルティング・ファームでも"Up or Out"的な枠組みが久し振りに適用され、一定量の人々が退職してきている。

多くのプロフェッショナル・ファームでは、2008年の業績が悪化しているということではなく、2009年の業績予測が厳しいため、もう一段人員を絞り、更なる少数精鋭化を推し進めようという動きのようである。

このように、経営のプロ予備軍を採用する企業側では、一時的な採用凍結によって、コスト削減をし、残された人的資源の効率の最大化をはかり、収益悪化だけは何とか防ごうという企業が増加している。

従って、次世代の「経営のプロ」となるような「経営のプロ予備軍層」においては、ますます需要は激減しており、完全に供給過多な状況となっていると言える様相である。

***

 

「100年に一度の危機」という言葉がよく報道されており、「ここ3年から5年くらいは、景気回復はない」という方も、「実は地獄の釜の蓋が開いたくらいで、不景気は5年どころか、もっと続く」という識者の方もおられるようである。

しかしながら、ノキアの躍進を見てもあきらかなように、真の「経営のプロ」を投入することによって、難局を乗り切れたり、付加価値創造を行った結果として雇用創出をできたり、ということで、ピンチをチャンスへと転換していけるケースもあり得ると思う。

こうした、「経営のプロ人材」の需要創造の20009年予測を、その2以降のエントリーで行ってみたいと思う。

プロノバ 代表取締役 岡島悦子
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なぜあの人にだけチャンスが来るのか?『抜擢される人の人脈力』
プロフィール

三菱商事、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2002年、グロービス・グループの経営人材紹介サービス会社であるグロービス・マネジメント・バンク事業立上げに参画。 2005年より代表取締役。2007年独立、プロノバ設立、同、代表取締役就任。

グロービス フェロー、グロービス経営大学院客員教授、経営共創基盤 アドバイザー

総務省 「ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会」委員。内閣府「地域力再生機構研究会」委員。ダボス会議運営の世界経済フォーラムから「Young Global Leader 2007」に選出される。

筑波大学国際関係学類卒業。       ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)

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